今何かがはじまろうとしている
まだあなたの知らないところで
朝まだき 紫色の
薄もやの立ちこめるなか
森の精霊たちが眠りにつくころ
水のいのちが息づきはじめる
草の息吹きが静かに
からだの中に染みこんでくる
一杯の冷たい水をくもう
朝ごとに生まれくるいのちのため
※1980年代の中ごろ、飛騨の高山に住んでいたころに書いたもの。
2005年10月のリトリートで、この歌が再びぼくの中に生まれなおし、久しぶりにみんなの前で歌った。
自分の書いた詞が、自分に歌いかけてくることがある。何年もの時をへて、それは自分に「もと居た場所」を教えにくる。
「今何かがはじまろうとしている」。
いつでも、今がはじまりの時だ。
2005年10月11日
2005年10月07日
雨の中を歩く
つま先に触れる草の露の冷たさよ
消えていく夢の痛みにも似た
ほの明るい空の深くから
注ぎくる雨のあたたかさよ
溶けてゆくほの暗い雨脚の
触れるそばから生まれてくる
望みにも似た輝き
それは緑の芽吹きか
あいまい色の雲は夏に向かい
銀色に尾を引く矢を解き放とうとしている
目覚めは 近い
いつの日か帰りくることもある
かすみゆく梢のたもとから
流れくる調べ耳に
今はとどめておこう
<詞:島田啓介 曲:SEZ> (2002)
消えていく夢の痛みにも似た
ほの明るい空の深くから
注ぎくる雨のあたたかさよ
溶けてゆくほの暗い雨脚の
触れるそばから生まれてくる
望みにも似た輝き
それは緑の芽吹きか
あいまい色の雲は夏に向かい
銀色に尾を引く矢を解き放とうとしている
目覚めは 近い
いつの日か帰りくることもある
かすみゆく梢のたもとから
流れくる調べ耳に
今はとどめておこう
<詞:島田啓介 曲:SEZ> (2002)
夜明け
まだ言葉にしないうちに 君と出会いたい
夜明けの丘に登り 虹の力で君を染め上げたい
千の光が粉になる 波の上で君を愛したい
君が飛び去るより速く この翼で抱きとめたい
朝は目覚め
夜の眠りを
どこまでもつれていく
雲の流れを
ふたりで見送りたい
まだ言葉にしないうちに 森のふちで君に会いたい
夜明けの風をつれて 暁の封印を解きに行こう
今眠っている君のために 歌の花束を置こう
僕の足音が聞こえたら 銀の露を払っておいで
朝は目覚め
夜のほとりで
どこまでも連なる
今日いちにちの山並みを
ふたりで眺めたい
(1998)
夜明けの丘に登り 虹の力で君を染め上げたい
千の光が粉になる 波の上で君を愛したい
君が飛び去るより速く この翼で抱きとめたい
朝は目覚め
夜の眠りを
どこまでもつれていく
雲の流れを
ふたりで見送りたい
まだ言葉にしないうちに 森のふちで君に会いたい
夜明けの風をつれて 暁の封印を解きに行こう
今眠っている君のために 歌の花束を置こう
僕の足音が聞こえたら 銀の露を払っておいで
朝は目覚め
夜のほとりで
どこまでも連なる
今日いちにちの山並みを
ふたりで眺めたい
(1998)
ジャン・ピエールのとうふ
食卓は新聞紙 畑からの食べ物の間に
平べったくてぶかっこうな 白い豆腐を置く
身の丈2メートルの ふとんみたいな手の平の
下から生まれ出た 固いとうふ
ジャンピエールのとうふ
ジャンピエールのとうふ
爆弾づくりのコミュニスト しまい忘れたマグネシウム
20年たった朝に 白いとうふとなる
にぎやかな野菜の色の中で そこだけ白く静かなとうふ
農夫ジャンピエールと 夏の大豆畑
ジャンピエールのとうふ
ジャンピエールのとうふ
※1991年夏、ベルギーのジャン・ピエール宅に滞在したおりの体験をもとに帰国後書いた 詩から、歌ができた。ちなみにヨーロッパでは、極端に硬いとうふが好まれていたようだ。ぼくがどうしてもやわらかいのがいいんだと言っても、彼らはぎゅうぎゅうに絞って硬くこしらえてしまうので、閉口した。
平べったくてぶかっこうな 白い豆腐を置く
身の丈2メートルの ふとんみたいな手の平の
下から生まれ出た 固いとうふ
ジャンピエールのとうふ
ジャンピエールのとうふ
爆弾づくりのコミュニスト しまい忘れたマグネシウム
20年たった朝に 白いとうふとなる
にぎやかな野菜の色の中で そこだけ白く静かなとうふ
農夫ジャンピエールと 夏の大豆畑
ジャンピエールのとうふ
ジャンピエールのとうふ
※1991年夏、ベルギーのジャン・ピエール宅に滞在したおりの体験をもとに帰国後書いた 詩から、歌ができた。ちなみにヨーロッパでは、極端に硬いとうふが好まれていたようだ。ぼくがどうしてもやわらかいのがいいんだと言っても、彼らはぎゅうぎゅうに絞って硬くこしらえてしまうので、閉口した。
星の祭り
星よゆらげ きらめきながら
星よゆらげ きらめきながら
星祭りの夜に カエルたちの歌う
色とりどりの歌が 空に散らばっていく
それが帰り道なら 歌っていこう
ひとつ残らず夢の 中まで連れていこう
うなずきながら 眠ってるように
笑いながら 踊ってるように
三角山の影に 四角い月が昇り
おなかをくすぐるような 煙の匂いがする
もしも君があの川を 遡ってくるならば
ぼくはこの闇を包んで クレープにしてあげよう
ささやきながら からかうように
つぶやきながら 愛するように
長距離電話が 途切れてしまったなら
ぼくは今から歩いて 君に会いにいくよ
道が白々と 光りはじめる夜明けに
蛍の光で編んだ スカーフは消えてしまうだろう
昨日の夢を 思い出すように
思い出しきれない 記憶のように
(1999年ころ)
星よゆらげ きらめきながら
星祭りの夜に カエルたちの歌う
色とりどりの歌が 空に散らばっていく
それが帰り道なら 歌っていこう
ひとつ残らず夢の 中まで連れていこう
うなずきながら 眠ってるように
笑いながら 踊ってるように
三角山の影に 四角い月が昇り
おなかをくすぐるような 煙の匂いがする
もしも君があの川を 遡ってくるならば
ぼくはこの闇を包んで クレープにしてあげよう
ささやきながら からかうように
つぶやきながら 愛するように
長距離電話が 途切れてしまったなら
ぼくは今から歩いて 君に会いにいくよ
道が白々と 光りはじめる夜明けに
蛍の光で編んだ スカーフは消えてしまうだろう
昨日の夢を 思い出すように
思い出しきれない 記憶のように
(1999年ころ)
秋の小道
土は還るところ 森は蘇り
やわらかな落葉に身をうずめ 深く息をつく
梢から差しこむ光に手をさしのべる
小さな木の子供たち
降り注ぐものは 落葉
そして空から舞い下りる
黄金の沈黙
私は 木漏れ陽に目覚め
そのあたたかさに目を閉じる
鳥たちとともに
心は言葉なき歌を歌う
そして私は 歌いながら
木の葉にうもれた小道を 探し求める
私は 森のように生まれ
森のように散っていこう
この秋のように
何度でも 何度でも
還っていこう
(1996年前後)
※渋沢丘陵を友人と散策したおりにできた詩。後から曲ができた。このときは夜まで歩き続け、光る茸を見つけたり、"帚茸(ほうきたけ)"--大変美味だが、少々毒があり、一日下痢に悩まされた記憶がある。
やわらかな落葉に身をうずめ 深く息をつく
梢から差しこむ光に手をさしのべる
小さな木の子供たち
降り注ぐものは 落葉
そして空から舞い下りる
黄金の沈黙
私は 木漏れ陽に目覚め
そのあたたかさに目を閉じる
鳥たちとともに
心は言葉なき歌を歌う
そして私は 歌いながら
木の葉にうもれた小道を 探し求める
私は 森のように生まれ
森のように散っていこう
この秋のように
何度でも 何度でも
還っていこう
(1996年前後)
※渋沢丘陵を友人と散策したおりにできた詩。後から曲ができた。このときは夜まで歩き続け、光る茸を見つけたり、"帚茸(ほうきたけ)"--大変美味だが、少々毒があり、一日下痢に悩まされた記憶がある。
梅雨の晴れ間の白い日に
梅雨の晴れ間の白い日に
アゲハがゆらゆら飛びます
それに恋したカゲロウが
ただ一日のいのちをもやす
砂の地面に
しゃがんで見ていると
蟻がぼくを背負って
歩いてた
頬杖をついて見ていたら
大陽が割れ
また地球が生まれた
人が死にまた生まれてくる間に
雀がのんびりえさをついばむ
梅雨の晴れ間の暑い日は
手のひらの中の夢の戯れ
梅雨の晴れ間の白い日に
風は一億年を吹き抜ける
風は一億年を吹き抜ける
(1980年代)
※今まで秘密にしていたが、この詩は、好きなダダイストの詩人、高橋新吉の影響を強く受けて書いた。べつに秘密にするほどのことでもないのだけど。
アゲハがゆらゆら飛びます
それに恋したカゲロウが
ただ一日のいのちをもやす
砂の地面に
しゃがんで見ていると
蟻がぼくを背負って
歩いてた
頬杖をついて見ていたら
大陽が割れ
また地球が生まれた
人が死にまた生まれてくる間に
雀がのんびりえさをついばむ
梅雨の晴れ間の暑い日は
手のひらの中の夢の戯れ
梅雨の晴れ間の白い日に
風は一億年を吹き抜ける
風は一億年を吹き抜ける
(1980年代)
※今まで秘密にしていたが、この詩は、好きなダダイストの詩人、高橋新吉の影響を強く受けて書いた。べつに秘密にするほどのことでもないのだけど。
水底の歌
なめらかに 君の口からすべり落ちる言葉は
深い 山から湧き出る 泉の匂いがする
君のいのちを汲もう 水のいのちを汲もう
深い深いところに かつて君は 住んでいた
記憶を宿した 君の目を見ていると
そこへ連れていかれる 気がするよ
大地は ゆっくりと衣を脱ぎ捨てる
眠っていた 生きものたちが 息をつきはじめた
深い深いところに かつて君は 住んでいた
記憶を宿した 君の目を見ていると
そこへ連れていかれる 気がするよ
(1993年ころ)
深い 山から湧き出る 泉の匂いがする
君のいのちを汲もう 水のいのちを汲もう
深い深いところに かつて君は 住んでいた
記憶を宿した 君の目を見ていると
そこへ連れていかれる 気がするよ
大地は ゆっくりと衣を脱ぎ捨てる
眠っていた 生きものたちが 息をつきはじめた
深い深いところに かつて君は 住んでいた
記憶を宿した 君の目を見ていると
そこへ連れていかれる 気がするよ
(1993年ころ)
融合 YOU GO
ついさっきまで吹いていた風が
アンテナの先でふいに止まった
自分の中で鳴ってる鼓動が
少しずつ聞こえだす
もうきみはひとりじゃない
きみはきみと一緒にいる
影の濃くなるところから
光はますます強くなる
眼球レンズは空の青さを映す
心の中の青はそれよりもっと深い
アモールとプシュケーがふたり手をつないで美術館の階段を駆け昇ってゆく
この五日間は晴ればかりが続く
セーヌ河でつりをする人たちも心なしか華やいで見える
君たちもそこにまじって釣り糸を垂れている
いつの間にか旅を忘れて
パリの空の下幸せそうなアモールとプシュケー
投げあげた声が落ちてくるのを
その放物線を静かに見ている
それがまた落ちてきて
ぼくに花束を投げてよこすよ
もうぼくはひとりじゃない
ぼくはぼくと一緒にいる
(1998年ころ)
アンテナの先でふいに止まった
自分の中で鳴ってる鼓動が
少しずつ聞こえだす
もうきみはひとりじゃない
きみはきみと一緒にいる
影の濃くなるところから
光はますます強くなる
眼球レンズは空の青さを映す
心の中の青はそれよりもっと深い
アモールとプシュケーがふたり手をつないで美術館の階段を駆け昇ってゆく
この五日間は晴ればかりが続く
セーヌ河でつりをする人たちも心なしか華やいで見える
君たちもそこにまじって釣り糸を垂れている
いつの間にか旅を忘れて
パリの空の下幸せそうなアモールとプシュケー
投げあげた声が落ちてくるのを
その放物線を静かに見ている
それがまた落ちてきて
ぼくに花束を投げてよこすよ
もうぼくはひとりじゃない
ぼくはぼくと一緒にいる
(1998年ころ)
2005年10月06日
ライオンのいる場所
ライオンのいる場所
竹薮のはずれのあたりがほんのり明るい
ぼくはそこを見て
あそこに何かが埋まっていると思った
もうずいぶん会っていない人たちが
夢の中にたくさん住んでいる
そして夢を通してぼくに語りかける
友だちはぼくにいう、ようやくやって来たねと
ぼくは長い旅をしてようやくここまで来た
懐かしい風の音に目覚めて
ぼくは日記を書きはじめる
これからはじまる少し未来のことを
※夢の中からライオンの寝息が聞こえる
そこに未来がひそんでる
そこにはいつでもあの竹薮が見えて
子供のぼくが今日のぼくを見つめてる
懐かしい布団の重さに目が覚めて
今日一日をはじめようとしている
これからはじまる少し未来の中へと
※夢の中からライオンの寝息が聞こえる
そこに未来がひそんでる
そこにはいつでもあの竹薮が見えて
子供のぼくが今日のぼくを見つめてる
(2002.03.17 朝の夢から)
竹薮のはずれのあたりがほんのり明るい
ぼくはそこを見て
あそこに何かが埋まっていると思った
もうずいぶん会っていない人たちが
夢の中にたくさん住んでいる
そして夢を通してぼくに語りかける
友だちはぼくにいう、ようやくやって来たねと
ぼくは長い旅をしてようやくここまで来た
懐かしい風の音に目覚めて
ぼくは日記を書きはじめる
これからはじまる少し未来のことを
※夢の中からライオンの寝息が聞こえる
そこに未来がひそんでる
そこにはいつでもあの竹薮が見えて
子供のぼくが今日のぼくを見つめてる
懐かしい布団の重さに目が覚めて
今日一日をはじめようとしている
これからはじまる少し未来の中へと
※夢の中からライオンの寝息が聞こえる
そこに未来がひそんでる
そこにはいつでもあの竹薮が見えて
子供のぼくが今日のぼくを見つめてる
(2002.03.17 朝の夢から)
2005年09月29日
針穴写真機
針穴写真機で のぞいた景色
ゴールポストが 逆立ちしている
けりあげたボールが 空から落ちてくる
静かな午後に 揺れる景色は
遠い記憶の 霞がかかっている
針穴写真機で のぞいた景色
鳥の翼が 雲をかすめる
頭のどこがが ちょっぴり涼しいな
生まれる前の 何も知らないところ
死んだあとの 静かな景色
けりあげたボールが 空から落ちてくる
針穴写真機で のぞいた景色・・・
(1980年代初め)
ゴールポストが 逆立ちしている
けりあげたボールが 空から落ちてくる
静かな午後に 揺れる景色は
遠い記憶の 霞がかかっている
針穴写真機で のぞいた景色
鳥の翼が 雲をかすめる
頭のどこがが ちょっぴり涼しいな
生まれる前の 何も知らないところ
死んだあとの 静かな景色
けりあげたボールが 空から落ちてくる
針穴写真機で のぞいた景色・・・
(1980年代初め)

