帰り道の夕空--小田原厚木道路
2005.12.20
きみの涙のしずくに映ったぼくが
ゆっくりすべりおちていく
いくつもいくつも
そうして
何人ものぼくが次から次へ
すべりおちていく
悲しみをしぼると涙になり
涙は景色を映して色を変える
ぼくらが過ごした苦しみの風景も
涙の中でまじりあい
波打ちぎわの砂のようにさらさらと光っている
その光を映したぼくの瞳からも
きみがすべりおちる
何人ものきみが
その瞳からぼくをこぼれさせ
ぼくの目尻からすべりおちていく
引力にすなおな涙は
地面に落ちて吸いとられ
土をふっくらとゆるませる
冬草の硬くしまった芽の先は
寒空につんと尖っている
水のように透明な淋しさを宿しながら
やわらかな陽射しを待ち望んでいる

