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2009年12月03日

血のなせる業

最近加藤和彦氏が亡くなった。彼の代表作でぼくがもっとも好きなのは「悲しくてやりきれない」である。その詩の作者サトウハチローに興味が湧き、佐藤愛子著「血脈」を読んだ。
ハチローと佐藤一族を描き、十三年かかって脱稿した三千枚以上の大作である。

これだけ長いと、読むほうもある期間その世界にひたる。
その気になればなるほどディープな人間模様に引き込まれる。
インドを旅して、ゴアのビーチやカルカッタの安宿ではまってしまって抜け出せなくなるみたいな、例がなんだけれど、読書中の感慨はそういったものだった。

サトウハチローといえば、枚挙に暇がないほど知られた詩が多い。
好き嫌いを超えてつい口ずさんでしまう、それほど普遍性のある詩を書いた人だ。

『ちいさい秋みつけた』、『うれしいひなまつり』、『リンゴの歌』、『もずが枯木で』などの歌もある。

そういう孤独で純情な感じの人物だったかというと、もちろんそんな一面もあるのは確かだが、じつは父祖から続いた『血』がなせる、とんでもない『荒ぶる魂』の持ち主だった。

佐藤家の人びとは多少なりとも同じ血を分け持ち、実話に基づいた物語は父・洽六の代から下るにつれて、とんでもない破綻を見せ始める。

「中学に入学後、父が舞台女優の三笠万里子と同棲するようになり、父への反発から中学を落第、退校、勘当、留置場入りを重ねる」

彼の兄弟、妻たち、子供たち、そろいもそろってまるでドラマの主役の争奪戦のように事件を起こし続ける。また、死に様もすさまじい。

佐藤家の家系図が載ってるんだけど、あんまりみんな結婚離婚を繰り返すので、縦より横が異様に長いのである(笑。

読後感は、ひとこと、「人生なんでもあり」だ。これだけすさまじいと、かえって気持ちがさっぱりして元気が出てくる。魂にはいろんな「荒ぶり方」があるものだと感心する。

佐藤愛子は、サトウハチローの異母妹だ。インタビューで彼女は、「書くことが魂鎮めになった」と言っている。執筆中ずっと、心霊現象に悩まされたようだ。それもまた興味の尽きないもうひとつの話題である。

本書を読んでいる最中に、祖母が102歳で往生を遂げた。
ぼくはぼく自身の「荒ぶる魂」を抱えて、決して生き易くはない。
ぼくの「魂鎮め」は、まだはじまったばかりだ。
posted by Dah at 00:00| ☔| Comment(1) | TrackBack(0) | ☆相模平野だより | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
人生なんでもあり…
何も無いわけが無い…
生きているのだから…
神様は皆に平等に喜びも悲しみも苦しみも用意していて
それぞれを少しずつ与えて来るんだと思う
でも たまに与え方が偏る時があるみたい…
まさに今の私が偏って与えられてる気がする
ねぇ〜神様
悲しみと苦しみに偏ってるよぉ
辛い事が起きた時はその辛さから何か学ぶ事があるはずだ…
学ばなければまた同じ辛い状態に襲われてしまうからそう思って今まで頑張って来たけど…

解雇 長距離通勤 父の癌 愛していた人との別れ …学ぶ暇がありません

かなり自失な状態ですがおかしく成り切らない自分がある意味頼もしい

Posted by 明子 at 2009年12月19日 10:51
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